ほとんどの女性向けの離婚本では、離婚協議書を公正証書で、しかも強制執行認諾条項(きょうせいしっこうにんだくじょうこう)を入れるよう強く奨めています。
強制執行認諾条項(強制執行認諾文言とも言う)とは、公正証書(契約書)に書かれた内容(主に金銭債務)を履行しなかった場合、裁判をせずとも強制執行することができるという恐ろしいものです。
この場合、夫が債務者になることがポイントです。
この強制執行認諾条項の入った離婚契約公正証書には、以下のような条文が入ります。
第○条
甲(夫)が次のいずれか一つの事由に該当したときは、期限の利益を失い、催告を要しないで直ちに残債務全てを完済しなければならない。
@ 指定期日内に各金銭債務を支払わないとき
A 他の債務につき、仮差押、仮処分または強制執行、担保権実行を受けたとき
B 国税滞納処分を受けたとき
第△条
甲(夫)は、本証書記載の金銭債務を履行しないときは、強制執行をされても異議を申し立てないこととする。
どうでしょうか。
妻は離婚の際に夫を公証役場に連れて行き、このような恐ろしい契約書に印鑑を押すようにせまってくるかも知れません。
私は、このような個人の事情を一切考慮しないで有無を言わせず強制執行するような契約書を、いくら離婚するからといって夫婦間で交わすことは、全く馬鹿げたことで必要ないと思っています。
これだったら、養育費などは月払いにせず、多少苦しくとも離婚時に一括で支払ったほうがマシです(※1)。
第□条
甲(夫)は丙(子)に対し、丙が20才になるまでの全養育費として、○○万円を一括で××年××月××日までに丙の銀行口座に支払うこととする。
丙(子)及び法定代理人乙(妻)は、養育費の受領後甲に対し、いかなる理由でも金銭支払請求を一切しないこととする。
妻から、強制執行は最後の手段であって、きちんと支払う気持ちを持ち続けてほしいから強制執行認諾条項付きの契約証書を残してほしいと言われても、「キミがもし家族からこんなものに判を押せと要求されたらどんな気持ちだ?」などと言って突っぱねましょう。
※1 養育費を一括で支払うと、妻は面接交渉を認めなくなる可能性があるので(もらえるものはもらったので)、面接交渉権についてもしっかりと離婚協議書に記載するようにしましょう。
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